穴窯安全対策マニュアル

穴窯安全マニュアル

はじめに

小学校が本格的な穴窯を設置し、プロの陶芸家がその指導と運営にあたることは、日本中でもきわめて珍しい取り組みであり、教育上大変貴重なことと考えています。穴窯から学べることは多々あります。子どもたちの創造性の育成・自然素材とのふれあいから生まれる環境への意識・共同作業の達成感・第一線で活躍する社会人とのかかわり・やきものの科学的な神秘性・人間文明の歴史へのつながり等、穴窯の世界は実に奥の深い、幅の広いものです。

同時に、穴窯でものを創る過程の中に危険が潜んでいるのも否定できない事実です。重い原土を山から運び、それを砕いて陶土にして作品を創る・巨大な原木を刃物付きの機械で切って、割って、薪をこしらえる・1250度を超える、想像を絶する高温の窯の中へ薪を一本ずつ放り込んで作品を焼くのが穴窯です。正しい知識のもと、適切な安全態勢で臨めばこれらの作業の危険性を最小限におさえ、子どもたちに楽しく体験させることができます。しかし、どの作業過程においても、適切な対応を怠ったり、甘んじて誤った認識で作業にかかったりすると、取り返しのつかない事故を招きかねません。「窯炊き」という面白くて神秘的な雰囲気の中であっても、作業中は常に冷静に安全対策を念頭におくことが大前提です。

このマニュアルでは、穴窯作業の過程をたどり、ありとあらゆる危険な場面を想像しながら、それぞれをまず回避する対策、そして万が一事故が発生した場合の対応を探ってみました。教職員、社会人スタッフならびに保護者の皆様がこのマニュアルの内容をよく読み、理解し、子どもたちに十分な注意を与えながら穴窯に関わって頂きたいと思います。学校の全ての取り組みと同様、子どもたちに有意義かつ安全な教育を保障することが私達一人ひとりの義務です。

なお、この安全マニュアルの作成にあたって、滋賀県立信楽窯業技術試験場の高井隆三場長の助言を頂戴しました。ご多忙にもかかわらず、長年の豊富な経験に基づいて貴重なアドバイスを快く提供してくださいました高井先生に対し、文面上ではありますが心より感謝いたします。

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